【第63回 気象予報士試験 一般知識】問6 渦度の鉛直成分をわかりやすく解説
第63回気象予報士試験 一般知識 問6の解説です。今回は、水平風ベクトルから渦度の鉛直成分を近似的に求める問題です。
渦度の問題は、式だけで考えると難しく見えますが、まずは反時計回りの回転がどれだけ強いかを見ると整理しやすくなります。
この問題のポイントは、各点A・B・Cの周囲4点の風から、
- 反時計回りに回そうとする成分
- 時計回りに回そうとする成分
を読み取り、渦度の大小関係を比較することです。
■ 問題文
図のように北半球の同じ緯度の水平面上に●で示す3つの点A、B、Cがあり、各点から東西南北に1km離れた4点で、矢印で示す水平風の風ベクトルが観測された。
4点に付した( )内の数値は、東向きを正とする風の東西成分[m/s]、北向きを正とする風の南北成分[m/s]である。
点A、B、Cにおける渦度の鉛直成分を、東西南北の4点の水平風を用いて近似計算した値をそれぞれζA、ζB、ζCとするとき、これらの大小関係として正しいものを選ぶ。
| 選択肢 | 大小関係 |
|---|---|
| ① | ζA < ζB < ζC |
| ② | ζA < ζC < ζB |
| ③ | ζB < ζA < ζC |
| ④ | ζB < ζC < ζA |
| ⑤ | ζC < ζA < ζB |
■ 解答
②
■ 解き方の方針
渦度の鉛直成分は、簡単にいうと水平面上で空気がどれだけ回転しているかを表します。
北半球では、反時計回りの回転は正の渦度として扱います。
したがって、この問題では各点の周囲で反時計回りに回す成分がどれだけ強いかを比べればOKです。
受験生がつまずきやすいポイント
この問題は、風ベクトルの数字を見てすぐに式へ入れようとすると混乱しやすいです。
まずは、
- 北側では西向き成分が反時計回り
- 東側では北向き成分が反時計回り
- 南側では東向き成分が反時計回り
- 西側では南向き成分が反時計回り
と考えると、かなり整理しやすくなります。
■ 点Aの渦度
点Aでは、東西南北の風ベクトルから反時計回りの成分を見ていきます。
近似的に反時計回り成分を合計すると、
ζA ≒ 0
となります。
つまり、点Aの周囲では、反時計回りに回そうとする成分と時計回りに回そうとする成分がほぼ打ち消し合っています。
ここがポイント!
点Aは、一見すると風が吹いているので渦度が大きそうに見えます。
しかし、重要なのは風速そのものの大きさではなく、回転を作る成分です。
■ 点Bの渦度
点Bでは、反時計回りに回そうとする成分がかなり強くなっています。
近似的に計算すると、
ζB ≒ 9
となります。
これはAやCよりも大きな正の渦度です。
ここがポイント!
点Bは、周囲の風が反時計回りの回転を作りやすい配置になっています。
そのため、3点の中で最も渦度が大きくなります。
■ 点Cの渦度
点Cも正の渦度を持ちますが、点Bほど大きくはありません。
近似的に計算すると、
ζC ≒ 4
となります。
したがって、Aよりは大きいものの、Bよりは小さい渦度です。
ここでの注意点
渦度は「風が強い場所」を選ぶ問題ではありません。
あくまで、周囲の風がどれだけ回転を作っているかを見る問題です。
■ まとめ
- 点A:ζA ≒ 0
- 点B:ζB ≒ 9
- 点C:ζC ≒ 4
したがって、大小関係は、
ζA < ζC < ζB
となります。
よって、正解は②です。
この問題で必ず押さえたいこと
渦度の問題では、式を丸暗記するよりも、まず反時計回りの回転が強いかどうかを考えると理解しやすくなります。
特に図の問題では、数字だけを追うのではなく、風がどちら向きの回転を作っているかを確認しましょう。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第63回 一般知識 問6の解説でした!
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